まず、はじめに
基本的な情報だけ記載しておこう。
アースシネマズ姫路
ドルビーアトモス対応スクリーンが2つ、4DXスクリーンが1つ入っているシネコン。
よくイベント上映を行っており、目立っている映画館である。
『BLAME!』
『シドニアの騎士』の弐瓶勉が原作者のSFアクション漫画。
原作は「1997年3月号 - 2003年9月号」連載と結構古い。
正直、知らなかった。ジャンプっ子だもんで。
ドルビーアトモス
難しく書いてあるが、要は立体音響の映画上映である。
スクリーン内に正面・左右・天井・背面の至る所にスピーカーが何十個と設置されており、それらの中で音を移動させているよう。
東京ディズニーリゾートの「ミッキーのフィルハーマジック」が一番イメージしやすいだろうか。
このドルビーアトモス、なかなか導入劇場が少ないのだ。
日本全国に21スクリーンしかない。その内の2つが、アースシネマズ姫路である。
下記サイトが詳細に調べているので知りたい方は見て欲しい。
日本全国版 IMAX & DOLBY ATMOS シアター情報 | ひろぶろぐ(Hiro Blog)
『BLAME!』東亜重音アトモス上映
東亜重音とは
音響監督・岩浪美和が、日本全国の各劇場にわざわざ出向いて調音(そのスクリーンに最適な設定に音響調整)した豪華な上映である。
弐瓶勉の様々な漫画に共通して登場する「東亜重工」という企業をもじったイベント名が「東亜重音」なのだ。
岩浪美和・音響監督
数多くの作品に携わっているベテランのようだ。
直近で話題になったのは『劇場版ガルパン』や『劇場版ソードアート・オンライン』。
どちらも興行成績が記録的な作品である。
その記録に一役買ったのが、岩浪美和・音響監督。
今回と同じように、先に挙げた2作品でも調音の全国行脚を実施していた。
この岩浪美和・音響監督が、なんとも気概のある男なのだ。
映画館って10〜20年先には無くなってしまうかもしれません。
— 岩浪美和 (@namisuke1073) 2017年2月6日
映画館が生き残る道とは?
僕は映画館の「道の駅」化が一つの解じゃないかな?って思ってます。
生産者の顔が見える商品の提供の仕方。
それって おいしそうに見えませんか?
そんな挑戦をコツコツと「音」でしようと思ってます。
ま、いろいろやってますけど
— 岩浪美和 (@namisuke1073) 2017年3月21日
特定の映画館に肩入れするのが目的じゃなくて
「音」が評判になれば通常の映画館の上映もちゃんとした音になるんです。
皆さんが普通の映画館の上映の音を「あそこの音よかった」って情報交換してくれるのが一番嬉しいんです。「普通が全部良い」が僕の最終目標です。
僕が音響調整した時は劇場の支配人さんやスタッフの皆さんと写真を撮ります。
— 岩浪美和 (@namisuke1073) 2017年3月21日
これは「映画館の道の駅化」をしたいから。
僕ら作り手と劇場の「送り手」の顔が見えることが
お客様にとって「その」映画館に足を運ぶ理由になればと。
実際に気楽に支配人さんと交流してくれるお客様が増えました
最近、一挙見上映会とか大洗爆音上映とか1人音響調整行脚とかの仕込みをしていて自分の職業なんだ?ってなってるw。
— 岩浪美和 (@namisuke1073) 2017年3月31日
ちゃんと音響監督業もやってますけど。
僕は 大切な事は全て映画館の暗闇で学んだので、
その恩返しがしたいのかな。
多くの方に映画館の楽しさを体験して頂きたいな、と。
熱すぎるぜ!
ネタバレ無しの感想
アースシネマズ姫路のフラグシップスクリーンであるウシオプレミアムシアター(スクリーン9)で鑑賞。
ハリウッド作品以上の没入感
今までドルビーアトモス上映で『ミッション・インポッシブル:ローグネイション』『スター・ウォーズ:フォースの覚醒』『ローグ・ワン』『ラ・ラ・ランド』『美女と野獣』(他にも何本かあったはず)を鑑賞してきた。
超大作・洋画のどれよりもドルビーアトモスっぽさを体感できた。
普通のハリウッド映画だと登場人物がめっちゃいたり、アクションシーンがめっちゃ激しかったりで色んな場所で音が鳴るの。だから、立体音響感が分かりづらい。
その点『BLAME!』は、凄い。
冒頭の複数人で配管の上でジャンプして着地するシーンなんか、本当にスクリーン内の左後ろにキャラが着地したようにズンと感じたんだ。
そう、東京ディズニーランドの「ミッキーのフィルハーマジック」そのものなの。
この衝撃、ドルビーアトモス上映では初かも知れない。
他にも、建設者っていう超巨大ロボが出てくるんだけど、ライトサイドから響く音の重厚感が凄い。
ライトサイド全体から鳴っているからなのか、巨大な図体をスクリーン内右側に感じるの。
ここまで没入感のあるドルビーアトモス上映は、初めてだ。素晴らしい。
サウンドもかっけえんだ
そんな専門的な事は分からんが、映画のサウンドが大好きなの。
『ラ・ラ・ランド』『SING』は、アメリカからサントラを輸入してリピートしまくってる。
『バットマンvsスーパーマン』は、ワンダーウーマンのテーマが聞きたくて何かも映画館に足を運んだ。
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そんなサウンドの素晴らしい映画達に肩を並べるくらい、良かった。
特に終盤のバトルシーンに流れるBGMが、ラスボスなのよ。
RPGのラスボスに流れる感MAXで燃えんわけがない。
岩浪美和・音響監督、あんたが大将だ。
ストーリーも良し
ネット(SFか?)の設定を少し知っていれば理解しやすいが、知らなくても問題はない。
知らなければ、観終わった後に解説を見る楽しみが残っているってもんだ。
夢のような場所に行ってワクワク感を感じたり、一転ドキドキさせたりと満足行くストーリーになっている。
「すげえな!将来こんな風になるんかな!でもテクノロジーが暴走したら、そらこうなるわな!」とワクワクしながら楽しめること間違い無し。
確かに『ローグ・ワン』のダース・ベイダーよろしく「お前が走ればデス・スター破壊されんかったやん。この無能!」と思うシーンもあったが、所詮は映画である。
ご都合主義が気に入らないのなら、仕事でもしていよう。全部自分の責任になる自営業をオススメする。
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女性も楽しめる
一緒に鑑賞した彼女も満足していた。
特に、ドルビーアトモス効果がデカかったようだ。
「重力子放射線射出装置(レーザーみたいなん)が頭をギリギリかすめた気がした!凄い!」と興奮していた。
また、登場人物にも魅力を感じていたようだった。
続編に期待する
本作は、Netflixのオリジナル映画である。
劇場公開と同日にNetflixでも配信開始された。
という事は、Netflixでのアニメ作品として制作される可能性がある。
是非とも『BLAME!』をシリーズ配信していただきたい。
Netflixのいち契約者としての願いである。
是非、劇場で観ていただきたい
今後、Netflixによる制作・劇場公開と同時配信する作品が登場するであろう。
そういった作品でも、劇場でしか味わえない上映環境や上映スタイルがあれば劇場で観るべきである。
ネットフリックスの契約者(僕も契約している)であればタダで観れるが、近場で東亜重音上映をやっていれば是非、劇場に足を運んで欲しい。
1800円の価値は、大いにある。
【追記】オリジナルキャラが作られた
舞台挨拶で全国を巡っている制作陣が、各劇場にイメージキャラを作っている。
アースシネマズ姫路のイメージキャラを制作陣が投稿したところ、原作者の弐瓶勉さんも描いた!
すっげえ!
ぼくもウシオ君描いてみました!! pic.twitter.com/QqF9663AZR
— 東亜重工 nivin (@tsutomu_nihei) 2017年5月30日