旅に出たいごうけん

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日本で3D版映画を上映しないのは、映画館が潰れるから

 

3D上映を配給すると映画館が潰れる

あまりにも極端な話だが、そういう方向に進む。

簡単に言えば、金にならないからだ。

あと、ディズニー社がアホだから。

 

きっかけは、ツイッター

ツイッターで下記ツイートがリツイートされてきた。

 

分かる、その気持ち。

『モアナと伝説の海』なんか本来は、ドウェイン・ジョンソンがマウイの声優やってるんだぜ。観たいに決まってんだろ!

 

配給会社が実施の可否を決める

日本でどのバージョンを上映するかを決定するのは、日本での配給権を買い付けた配給会社だ。

 

日本で海外映画を上映する場合、当然ながら日本向けに翻訳・吹替が発生する。

日本向けにローカライズされたデータを、上映が決定(ブッキング)した映画館に配送するのも配給会社の仕事である。

現在、映画の配送はHDD輸送がメインである。一部ブロードバンドで配信もあるそうだ。

HDD輸送の場合、2D/3D毎にHDDを分ける必要がある。

翻訳・吹替等のデータ作成に、バージョン別にHDD準備・配送…金が掛かる。

配給会社が「この作品、字幕でやってもお客さん入らないだろう」と判断すれば、そもそも製作されないだろう。

 

海外ではドルビーアトモスやIMAX、今回やり玉にあがっている3D上映など様々なバージョンで上映されている。

こういった特殊な上映は、HDDも特殊な仕様らしい。(岩浪音響監督 談)

「そんなモノ用意しても上映できるスクリーン限られてるからお金の無駄!」と配給会社が判断すれば、日本での上映は無し。

そんなこんなでドルビーアトモス版は、日本ではほぼ上映されないのだ。

 

3D上映は金にならない

3D上映は、出来るスクリーンが限られている。

映写機が3D対応している必要があるのだが、全スクリーン対応しているわけではない。

 

シネマシティ立川を例に挙げてみよう。

というか、どの映画館も情報を公開しない傾向にあるのでシネマシティくらいしか情報をオープンにしていないのだ。

合計11スクリーンを抱えるシネコンである。

11スクリーンの内、3D対応しているのは3スクリーンだけだ。

内訳は、384席(フラグシップスクリーン)・303席・177席だ。

ちなみに、シネマシティ立川の最小スクリーンは77席である。

 

基本的にどこの映画館もフラグシップスクリーン(そのシネコンで一番良いスクリーン)+αといった感じでしか対応していない。

恐らく、3D上映対応の映写機が割高なのであろう。

 

では、フラグシップスクリーンでも良いから3D上映すべきだ!と思う人も居るだろう。

それでは映画館が潰れてしまうのだ。

 

上映するにあたって配給会社とは「動員がなくても最低何週間は上映します」という条件で契約する事が殆どだ。

 

例えば最低3週間契約としよう。

「公開3日間で動員が散々だった!」とする。映画館は当然、入らない作品は座席数の少ないスクリーンで上映し、入る作品は座席数の多いスクリーンで上映したいだろう。

満席になってしまうとお客さんを零してしまうからだ。

それが3D作品だった場合、上映出来るスクリーンが限定されている為にスクリーンを変更できなかったりする。

入らない作品が、座席数の多いスクリーンを専有する=お客さんは入らないし、人気のある作品は満席で零す…最悪だ。

作品によって当たり外れのデカい映画という娯楽は、スクリーンの割り振りが大事なのだ。

その割り振りに制限を加える3D上映は、好まれていない。

 

また、昔の3D映画のイメージを引きずっている人が多いようだ。

色が潰れているとか、目が疲れるとか。今の3D映画はそこまでではない。

でも一度付いたイメージは、拭えないモノ。

見慣れた2D映画と、昔の嫌な思い出がある+300円の3D映画…当然、前者が選ばれてしまう。

実際に2D上映はパンパンなのに、3D上映はそうでもなかったりする。

3D字幕上映なんて見辛いなんてもんじゃない!僕もそのタイプだ。

 

また、ディズニー映画を字幕で上映しろ!と声高に言う教育ママが居たりする。

一般大衆の子供は、字幕のアニメなど観ない。文字を読むスピードが追いつかない。

そもそも、親世代でも字幕が合わない人も多いぞ。

 

一部マニアが大騒ぎをしたからIMAX3D版を急遽上映した『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』なんて例もある。

あれは大騒ぎしたからではなく、何度も鑑賞したマニアをさらに何度か劇場へ足を運ばすディズニー社の策略だろう。

かえってマニアの神経を逆撫でた行為だった。

 

だから、3D版は上映されなくなっている

客を選ぶ上に、映画館に好まれない3D上映を配給会社は制作するだろうか。

入る作品の時にお客さんをガンガン入れて稼がないと映画館は潰れてしまうのだ。

 

ここまで書いておいて何だが、今回の『リメンバー・ミー』に関しては別だ。

ディズニー/ピクサーの最新作…十分な集客を見込めるビッグタイトルだ、

それこそ『スター・ウォーズ』なんかとタメを張るだろう。

 

客が入らないわけがないビッグタイトルに、3D吹替の選択肢を用意していないディズニーがアホなのだ。

 

『リメンバー・ミー』は、築5年以内のシネコンで鑑賞しよう

試写会に参加したが、非常に素晴らしい作品だった。

ラテンのリズムが流れる陽気な音楽に、ハートフルなストーリー。観終わった後に幸せな気持ちになれる作品だった。

主人公の相棒ガイコツ・ヘクターがナオト・インティライミに見えて仕方がない。

 

本作で焦点を当てるべきは、2D/3Dではなく設備だ。

私が参加した試写会の会場は、映像と音が宜しく無かった。

もっと明るく映し、もっといい音を鳴らすスクリーンだったらより一層感動したことだろう。

それほど美麗な映像と、素晴らしい楽曲ばかりだった。

 

『リメンバー・ミー』は、築5年以内のシネコンで鑑賞いただきたい。

築5年以内なら、スクリーンもキレイな状態だろうし、映写機やスピーカーも新しいものだろう。

他県の新し目なシネコンに出向いてでも良い設備で観るべき映画だ。

兵庫県近郊であれば、109シネマズ大阪エキスポシティ・アースシネマズ姫路・OSシネマズ神戸ハーバーランドであれば間違いない。

 

良い映画は、良いスクリーンで観よう。

 

リメンバー・ミー オリジナル・サウンドトラック

リメンバー・ミー オリジナル・サウンドトラック